2024.3
開業10年を迎え、今後を見据えながらこのバーの進め方を記載します。
おかげさまで、レコードを愛し、音楽を愛し、常連でも初めてのご来店でも、酒飲みプロが、老若男女20代から70代まで、国境関係なく集う、理想の店ができています。
カウンターで店員などと楽しげに話しているお客様がもしいらっしゃれば、その方々はあの混乱が始まってから3年、毎週毎月の如く通っていただけた皆さまです。過去からのお客様、新たな常連様、若いしっかりしたお客様、本気でこの店を愛し、支えてくださいました。
(まれに声が大きくなったり酔いすぎた方は常連さんでも注意しますが)
そのお客様たちからの力添えもあり、2021年3月をもってこの店はパンデミックを終了し、おかしいと自ら考えた理不尽な要請には従わず、行政からお金は受け取らず、通常通り営業しました。まずは、そんな店です。
ありがたいことに、さして広くないバーではありますが、最近は席数以上に、お客様がご来店いただける日が殆どになりました。毎日20時以降は、常連様は勿論、何度も来てくださっている方、酒を飲む場が分かっているお客様を優先して席を空けてあります。飲み方がきれいで、バーでの過ごし方が見事な世界中から観光や仕事でお越しのお客様も含め。彼らの相手をしていると彼らから日々学ぶことが多くあり、こちらも幸せになれますので、常連様とともに大事にしています。リピーターさんも多いです。
パンデミック期間中、それ以前の姿を取り戻すべく様々な手を打ちながら過ごしていました。おかげさまで常連様、初めてで来られた素敵なお客様とともに、世界中からお越しの多くのお客様にもご来店いただけるようになっています。常連様がいない日は、下手をすると9割が海外からのお客様です。こうした環境が続けられるよう、日々過ごしています。
10年かけてやっと理想の形に仕上がったこのバーの雰囲気、味わいを維持、しながら今後も運営してゆきます。
行ってみようと思われたお客様、恐れ入りますがこの店のルールをお読みください。特に20代の方はお願いします。
レコードの音の良さ、そしてオリジナル盤の凄さを楽しんでいただければ幸いです。
レコードバーとしましたのは、元々レコードの音の良さのため。そして、手持ちのレコードはロックに限らず映画音楽、60年代ソウルや踊れるジャズ、90年代のアシッドジャズ、レアグルーヴと言われるソウルやジャズファンク、バート・バカラックなどポップス、ラウンジミュージック等ジャンルは多岐にわたり、、ロックバーとしてしまうよりいいのかなと思ったからです。中学生時代からさかのぼれば、お小遣いをもらっては好きなものを買うことを続け、ひたすらレコードを買い続けて今に至ります。
その中で、すべての転機になったのは、そう、あれは21世紀になってからのことでした。何の気なしにバーゲンで安かったBEATLES FOR SALE
イギリスオリジナルMONO盤を購入し、部屋で針を落とした時の衝撃。何だこの音の違いはと。30年聴き続けてきた70年代にプレスされたSTEREO日本盤との違いに愕然とし、それから約1年かけてシングル・アルバムをすべてオリジナル盤で購入。20年振りに毎日BEATLES三昧の日々でした。学生時代からの友人を部屋に呼び、中学生さながらにこのレコードすごいんだぜ!と二人して感動しながら聞く日々を過ごしました。
繰り返すうち、もっと大きな音で聴きたいな!と、様々なレンタルスペースを借りながら、聞く仲間も増えいつしかレコードライブと称してDJ大会のように。
そうしたことを繰り返すうち、この音の良いレコードを一人で聴いていてはもったいない、こうして喜んでくれる方々が大勢いらっしゃるならば、その喜びを共有したいとの思いで店の概念、コンセプトも決まり、開店を決意しました。
・レコードへのこだわり
色々買い進めるうちに、当時プレスされたものと、サラリーマン時代に興味をもって買いためていたラジオ局などに宣伝のために配布されていたプロモーション盤のさらなる音の良さに気づき(ステレオ時代の音源がmonoで聞ける!)、BEATLESのみならずこちらも皆様と聴く喜びを分かち合いたいと思い、こちらは現在もこれはというものを見つけると購入してお届けしています。また、こうしたレコードを聴いていると、同じ曲をCDで聴くと全く異なった立体感のない音として聞こえてしまうのは、録音スタイルの違いから致し方のないことです。ならばと徹底してレコードでの音を楽しんでいただく店として作り上げてゆこうと決意いたしました。
現在ではシングル盤が増えすぎて、CDデッキを置く場所もなくなり100%レコードしかかけられない店となっております。
・リクエストについて
1曲毎に選曲して、居心地がよくなる場作りを目指して流れを作っています。リクエストにもお応え致しますが、リクエストをいただいてから新たな流れにその曲を乗せていきます。なるべくリクエストいただいた曲を、よりよく聞いていただくために工夫してます。
レコードですので、これもあれもというわけにはいきませんのでご了承ください。
常連さんの多くは「流れを楽しむこと、リクエストしないことがリクエスト」を望まれる方が多くいらっしゃいますので、そちらもご配慮ください。
混雑時以外は店主が、お好みの曲やアーチスト、カテゴリーなど伺いにまいります。
また、音楽を楽しみに来られるお客様のための店です。あまりに大声でお話しされる方、他のお客様の迷惑になる行為(嬌声をあげる、踊りだす、他のお客様に絡む、カウンターで大声で話す等)は固くお断りいたします。
また、リクエストをしたうえで、まだかかっていないときにこれもあれもとおしゃる方のリクエストは勿論お断りしています。
2018年より、観光でレコードで音楽を楽しむ酒場としてわざわざ探してこられる海外からのお客様が多くなってきています(一時中断したものの2022年10月より戻ってこられました)。非常に真摯に音楽を楽しんでおられ、非常にありがたいことです。せっかく観光で来られ、楽しんでおられる方も多い中、より音楽を楽しんでいただく酒場として運営してゆきます。なので、海外の方にはタイミングを見てリクエストを伺っています。本当に喜んでいただけて、見ていて幸せを感じます。
但し、酒場ですので、近隣のお席の方にご迷惑にならない、楽しい「普通の」ご歓談は勿論大丈夫です。気楽にお過ごしください。
店を開くまで、そして現在まで感謝したい人たち
はなはだ個人的なことですが、感謝する人たちを、今の私を作ってくれている人たちを、いま改めて記載します。
こうした店をそもそもやりたいなと思わせてくれた、20代の時に毎週通った新潟の音楽バー「NICK THE KNIFE」の今は亡きイクオちゃん。その時代にこのレコードすごいよと取り置き迄して来るのを待っていてくれ、いろいろな音楽を教えてくれた今は亡き「DISC GARAGE」の丸山さん。同じく新潟でソウルを教えてくれた新潟のDJ豊さんと、一緒にいろいろな音楽を共有してくれたタロウさん。
そして大学の時に学園祭でディスコをしようと持ち掛けてくれた友人たち(ディスコ ゴジラとして毎年やってましたが、ここでDJの面白さを知ってしまい)、大学時代にバイトさせてくれ、お酒や料理を教えてくれた松本のレストラン・バー「LA CIENEGA」の一郎さん、直美さん。
下北でロックバーの楽しみを感じさせてくれた「EAT A PEACH」の黒田さん。毎週持ち込みのレコードをかけてくれて、伊藤さん自分で店やりな、面白いよ、と背中を押してくれた銀座は「CANDY STORE ROCK」の長谷川さん。音楽は勿論、個人事業をやるにあたっていろいろ教えてくれた、渋谷で唯一無二のレコードショップ「HI FI RECORD」の大江田さん。
レコードライブの仲間たち。
勿論会社員時代にいろいろなマーケティングや開発、営業を指導してくれた諸先輩や実践してくれた後輩たち。会社を辞めて店をやりたいと言ったら最初に苦虫をかみつぶしたような表情で、最後は応援してくれた、子供のころから自分の道は自分で決めろと言い続けてくれた今は亡き父親。
そして何より、一緒に遊びそして、店を必死に支えてくれている妻。そして今通っていただける素晴らしいお客様方。
そういた皆様が今の私を作ってくれています。
2022.12.08 追記
店の作りは、60年代ロンドンの建物のイメージに。
煉瓦と漆喰作りの壁にターコイズの窓枠。
(もちろん地下の店なので窓の外は壁ですが・・)
装飾には川村忠晴さんのアート照明、
リッケンバッカーのギター。
お酒は各種取り揃えています。
瓶ビールはイギリスのもの等、ウイスキーはジャパニーズ、スコッチ、バーボンは勿論、アイリッシュ(ソーダ割りが本当によく合います)もご用意しています。
昔を匂わせる空間で、音楽を楽しみお酒を会話を
お楽しみください。
昔はよく聴いていたけれど子供ができてからは・・・
お父さん、お母さんが聴いていたのを覚えている・・・
あるいは、これ誰の何て言う曲?どんなレコード???
今でも現役で聴いてます!
こうした皆様に、懐かしいという想い、小さな感動の瞬間を、
喜びを見出して頂ければ・・・
そんな店づくりを目指してゆきます。
店のこだわりは、イギリス・アメリカのアーティストのオリジナル盤
・・・1950~60年代のレコードは、独特の深い、いい音が鳴ります。
※MERSY BEAT、BRITISH R&B GROUP、BEATLES、ROLLING STONES、WHO、KINKS、SMALL FACES、YARDBIRDS、MOD GIRLS・・・
店には60年代イギリスのレコード(多くはモノラル盤)も多く所蔵を
しています。
音の塊が飛び込んできます。
たとえば、そこにPaul McCartneyがいるような錯覚を。
音のマジックを感じてみませんか?